2019.8月

「日曜日は変身日和」

20180830

 

5歳の息子ミニライスが仮面ライダーに初めて興味を示したのは、2歳の終わり頃。

当時放送されていたのは仮面ライダーゴーストだった。

オープニングのゴーストのポーズを彼が真似てみたところ、

父親であるボクが予想以上に喜んだため、彼も嬉しかったのか

毎週日曜日は仮面ライダーを一緒に見るようになった。

 

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■はじめまして平成ライダー

個人ホームページが全盛の大学生時代、御多分に洩れず承認欲求の塊であったボクは

拙いイラストを並べてはBBS(掲示板)で社交辞令の応酬を繰り広げていた。

 

あるとき、交流の深かった絵描きさんから「仮面ライダー龍騎」をオススメされた。

クウガとアギトが人気イケメン俳優を世に送り出しているという話題を

ワイドショーで目にはしていたが、当時の自分はどんなジャンルも

貪欲に絵に取り入れるなどという柔軟さを持ち合わせてはおらず、

「付き合いだから一応見てみるけど正直腰が重い」が本音であった。

 

龍騎デザイン初見の印象は、今となっては都市伝説と化してしまった

陳腐なあのセリフ、「これ仮面ライダーじゃないだろ」だった。

幼少期に仮面ライダーBlack、仮面ライダーBlack RX、

それからバンプレストのコンパチヒーローシリーズに代表される

2頭身のSDライダーに慣れ親しんできたボクにとって、

龍騎ライダーたちはそれほど従来のイメージから逸脱したものであった。

 

たまたま目が覚めた日にだけぼんやりと見ていた龍騎は、確かにおもしろかった。

次から次に変わる戦局と、どんどん出てくる新しいライダー。

当時まだ若かったボクは、抵抗感よりも好奇心のほうが優った。

ヒーロー番組を見ているというよりも、新しいバトルアニメを見ている感覚だった。

それでも、まだその時は様々な映像作品のうちの一つに過ぎなかったのだけど、

翌年のファイズで仮面ライダーに対する印象が一変した。

 

 

 

■おもちゃのベルト

龍騎からの惰性で翌年の仮面ライダー555(ファイズ)を見始めたボクに、

前年にはなかったある感情が大きく膨らんだ。

 

「変身ベルトが欲しい…」

 

子供の頃、Blackのベルトを買ってもらえなくても特に何も思わなかったのに、

劇中そっくりのファイズドライバーがたまらなく欲しい。触りたい。

ひょっとして自分は頭がおかしいのだろうか、なんてことを考えたりもした。

 

ゼミで企業の販売戦略やマーケティングの話を楽しく聞いていたが、

この平成の仮面ライダーという番組は、変身ベルトをはじめとした

「なりきり玩具」を売るための現代的なアプローチがとても斬新で、

まさに今自分がその掌の上で踊らされていることに気づいて、とても興奮した。

こんな商売のやり方があるのかと、青天の霹靂であった。

 

ライダーデザインやシナリオ、役者さんたちの熱演など、

映像作品としての魅力は数え切れないほどあるが、

ボクが平成ライダーに夢中になった最大のきっかけは、おもちゃであった。

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■クリスマスプレゼント

仮面ライダーエグゼイドの年に、息子は初めてサンタさんに変身ベルトをお願いした。

DXゲーマドライバー。近年のベルトの中でもバックル部がかなりビッグサイズで、

小さな彼が巻くと思わず笑ってしまうアンバランスな大きさ。

 

キャンペーンアイテムのゲンムガシャットをもらうために、

ボクは張り切って早朝からおもちゃ屋さんに並んだ。

幼い彼に限定アイテムの価値はもちろんわからなかったが、

二人で取り替えっこしながら遊んだのは本当に楽しかった。

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■仮面ライダージオウ

息子が保育園年長さんとなった今年、元号が平成から令和となり、

平成仮面ライダーは20周年を迎え、アニバーサリーライダーとしてジオウが登場した。

顔面に「ライダー」と刻まれた自己主張の塊のようなデザイン。

 

来年はいよいよ小学生になるミニライス。毎週一緒にテレビを見て、

おもちゃを欲しがって、戦いごっこで遊ぶのも今年が最後かもしれない。

そんな年にディケイドのようなお祭りライダーに当たるなんて、

自分は本当に運がいいと思った。

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クリスマスプレゼントはもちろんDXジクウドライバー。

年始のお引越しのときも、まだ何もない部屋の中でバックルを回して遊んでいた。

おもちゃを買い与えすぎなボクにブレーキをかけてくれる嫁さんも、

今年は少しだけ寛容だ。なんとなくわかっているのだろう。

 

お年玉ではディケイドウォッチを買い、映画館ではタジャドルウォッチをもらって、

順調に増えていくライドウォッチを嬉しそうに飾っていた。

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■ミニライスの変化

ここからは、現在進行形のお話だ。

 

4月に年長さんになってから、仮面ライダーに限った話ではないが、

彼のヒーロー番組やおもちゃにかけるエネルギーの割合が、少しずつ減ってきた。

毎週テレビは見ているしおもちゃ屋に行くと必ずライダーコーナーは覗くのだけど、

興味に対象の幅がどんどん広がって、そこだけに立ち止まることは、もうほとんどない。

 

そのことを寂しく、悲しいことだと捉える方もいらっしゃるかもしれないが、

ボクはまったくそんな風には感じていない。

 

最近は、図鑑などの書籍や、少し難しめのロボット変形おもちゃ、

動物や昆虫のフィギュアなど、現実寄りな物を欲しがることが増えた。

こないだは、今年はサンタさんに地球儀をもらうのだと張り切っていた。

彼は日々成長している。彼の世界は毎日広がっているのだ。

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■新しい「当たり前」を作る

突拍子もないデザイン、ベルト玩具、ストーリー。

奇をてらった作風がたまたま功を奏したなんて言う人もたまに見かけるが、

偶然の連続で20年も続けられるほど、世の中は甘くない。

徹底的に市場を調査し、世間の流行や時勢を敏感に感じ取り、

無茶なモチーフをハイクオリティーなデザインに落とし込み、

安全で頑丈なおもちゃを毎年発売し、作品を成功させる。

過密なスケジュールゆえにすべてが大成功とはいかなかった面もあるだろうが、

このような作品を生み出すためには、豊かな経験と知識、実行力、体力、

そして、飽くなき好奇心が必須であろうと考える。

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息子が将来、どんな学校に進んで、どんな仕事に就くのかはわからない。

でも、一つの大好きな作品から膨れ上がった好奇心や知識欲は、

この先どんな道を歩もうとも彼の血となり肉となるだろうという確信を持っている。

 

なぜそんなことが断言できるのかというと、

平成仮面ライダーのエンターテイメント性や商品開発の着想が、

ボクの仕事への携わり方やスタンスに大きな影響を与えているからだ。

純粋なシリーズのファンとしても、おもちゃのコレクターとしても、

これ以上ないほど楽しませてもらっている。

いつかどこかで、何らかの形で恩返しがしたい。そう思っている。

そんなチャンスが巡ってこないだろうか。

いや、待ってたらダメだね。

これからも時間の合間をぬって、ミニ日記でその魅力を伝えていきたい。

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■ミニライスへ

今週からいよいよ、仮面ライダーゼロワンが放送開始だ。

もちろん、ミニライスと一緒に毎週放送を楽しみに待ちたい。

ただ、変身ベルトを買うかどうかは、君に任せたいと思っている。

この数年間、君と一緒に仮面ライダーを見てきた。

ジオウにはボクが夢中になって見ていたライダーたちも登場して、

君と共有することができた。とても嬉しく思う。

 

世の中に数え切れないほどある娯楽と、どんな風に付き合っていくのか、

ここから先は、ミニライス自身が決めていくことだ。

ライダーだってウルトラマンだって戦隊だって見ていいし、

まだあまり知らないポケモンやベイブレードに夢中になったっていい。

たくさんのものを知って、触って、遊んで、

君が夢中になった平成仮面ライダーを作った人たちのように、

みんなに喜んでもらえる仕事に就いてくれたら、もう何も言うことはない。

お父さんは、君が好きになったものを一緒に楽しもうと思う。

 

 

 

■はじめまして令和ライダー

仮面ライダーゼロワン! うん、初見から超カッコいいデザイン。

カッコよすぎて逆に不安になるくらいだ。

これからはまた昔と同じように、一人のヒーローファンとして

仮面ライダーをめいっぱい楽しませてもらいます。

 

 

 

 

■仮面ライダーへ

令和ライダーがたくさん増えた頃、

懐かしい顔の男の子が、ひょっこり覗きに行くかもしれない。

立ちはだかる壁にぶつかって、

楽しかった小さい頃の思い出に助けてもらいたくて、

照れくさそうにそっちを見ているかもしれない。

だからこれからも、ずっとヒーローを続けていてほしい。

一方的な頼みで申し訳ないが、ボクからのお願いだ。

そのときはまた、彼をよろしく頼むよ。

 

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